強い太陽の陽射しを優しい光に変えて、部屋を照らしてくれるのが「障子」です。
障子は和室に欠かすことができない建具です。
最近は和室だけではなく、洋室やリビングにもインテリアの一つとして障子が使われるようになっています。
●障子とは
障子とは、部屋の仕切りや外気を防ぐために用いる建具の総称のことです。
明かり障子や衝立、襖などが障子になります。
襖も部屋を仕切るという意味において障子となりますが、仕組みに違いがあります。
襖は木を大きく組んだ格子状の骨格に紙を貼って仕上げる建具なのに対し、
障子は杉やスプルスなどの木を細かく組み合わせ、それに紙を貼った建具になります。
また、襖は光を遮断しますが、障子は光が少し遮られて穏やかな光となって部屋に入ります。
●障子の種類
1.形状による種類
一般的な障子には以下などの種類があります。
1)腰障子
腰障子とは、障子の下の部分に高さ20~40cmの腰板を付けた障子のことです。
障子の下の方は足が触れて破れやすいため、紙に代わるものとして板が使われていました。
2)水越障子
水越障子とは、腰板の無い全面に紙の貼ってある障子のことです。現在の障子はほとんどが水越障子です。
3)猫間障子
猫間障子とは、障子の一部に左右に開け閉めのできる小さな障子の組み込まれた障子のことです。
子障子は換気用として使われます。
4)雪見障子
雪見障子とは、障子が上下に組み合わされており、上下に開け閉めができるようになっている障子のことです。
下の障子を開けると雪が見えるようになることから、雪見障子と呼ばれるようになりました。
その他、直ガラス障子や横額入り障子、堅額入り障子などがあります。
また、形状の違いだけではなく、枠の組み方による種類の違いもあり、
荒間障子や横組障子、堅組障子、横繁障子などがあります。
2.障子紙の種類
障子紙にも色々な種類があります。
1)パルプ無地障子紙
パルプが90%で、その他にレーヨン、ビニロンバインダー、蛍光剤が配合されています。価格の安いのが特徴です。
2)混抄障子紙
パルプや楮、マニラ麻、ビニロン、ナイロンなどが混合されています。
厚手で破れにくくなっていますが、劣化が早いという欠点があります。
3)強力障子紙
プラスチックや樹脂シート(ワーロン)でできています。非常に強い障子紙ですが、黒ずみが生じます。
4)手漉き和紙
主に楮でできています。伝統的な手法によって一枚一枚手作りされた和紙です。
社寺など日本の伝統的な建物に使用されています。
●障子紙の張り替え
最近では無地の障子紙だけではなく、様々な配色、柄、模様の付いた障子紙が販売されています。
部屋のイメージに合わせた障子紙に張り替えることで、部屋のムードを引き立てることができます。
現在はホームセンターだけではなく、ネットでもバラエティに富んだ障子額を購入できます。
障子紙として最近よく利用されているのが、ワーロンの障子紙です。
破れにくく丈夫というメリットを得られます。
また、奇麗な色を放つため、インテリアとしておしゃれ感を楽しむには最適な紙です。
ちなみに、障子を張り替える時は以下のポイントを心がけると奇麗に仕上がります。
・木を傷つけないように木目に沿って切ります。
・障子紙を剥がす液を使って古い障子紙をきれいに剥がし、拭き取った後はよく乾燥させます。
・ノリをつけ過ぎないようにします。
・枠の中にノリが付いてしまったら、きちんと拭き取ります。
・デザイン障子の場合は細い芯の鉛筆で薄く線を引き、柄を合わせるようにします。
・ワーロン紙の場合は専用両面テープや専用ボンドを使うようにします。
●まとめ
過去、障子は木造建築の住宅に使うものという概念がありましたが、
現在ではマンションや近代的な住宅にも障子が使われるようになっています。
障子を単なる建具として見るだけではなく、インテリアの一部としておしゃれ感覚で障子をとり入れるようになっています。