現在日本で部屋の床と言えば、フローリングか畳かが主な二択となるでしょう。
どちらにもメリットはありますが、
日本の気候的に言えばやはり日本で昔から使われてきている畳の方が適しており、長持ちしやすいです。
ではなぜ畳の方が長持ちしやすいかと言うと、それは材質と構造にあります。
○フローリングより素材からカビに強い畳が多い
そもそも畳は、通常の木材よりもカビが生えにくい素材でできています。
湿気が多く至る所にカビが生えやすい日本の床として生まれた畳ですが、
それにイ草が使われているのは、吸収した水分を溜め込むのではなく吐き出しやすいからです。
そのためフローリングの床よりも、基本的に長持ちしやすくなっています。
とは言え現代の畳は全てが全てイ草が使われているというわけでもありません。
ではイ草以外に何が使われているのかと言うと樹脂製のビニール畳と、
一度紙に加工してから畳表にする和紙畳が増えています。
ビニール畳はビニールと言っても、肌触りはビニール袋などのようなツッパった感触はなく、自然な畳の感触に近いです。
そして当然ですが、ビニールはカビの原因となる湿気を吸収しません。
むしろ撥水性の高さが、ビニール畳のメリットとも言えます。
和紙畳は文字通り畳表が草ではなく紙でできている畳で、イ草と同じように湿気を吸ったり放出する機能があるので、
ビニール畳ほど湿気に強いわけではありません。
ですが、それでも畳表の和紙を作る際に防汚加工がされているので、イ草よりカビに強いことがほとんどです。
ビニール畳も和紙畳も、どちらもカビにとって栄養になるものを含んでいない事が多いですし、
湿気にも強いこともあり、イ草の畳よりも輪をかけてカビが生えにくくなっているので、むしろイ草の畳よりも安心です。
汚れも付きにくい材質なので、非常に長持ちしやすいでしょう。
勿論イ草もこれらと比較するとややカビが生えやすいというだけで、
決してすぐカビが生えてしまうようなものでもありませんし、それ以外のメリットもあるので、
イ草の畳が悪いと言う訳ではありません。
○カビが生えても張替えがしやすい
いくらカビが生えにくい素材を使った畳でも、長く使い続ける内にカビが生えてしまうことはあるものです。
しかし畳というのはもしカビが生えてしまっても、
フローリングより圧倒的に対処しやすいというのも魅力となっています。
フローリングにカビが生えると広範囲の張替えが必要になりますが、畳の場合はカビが生えた畳だけ取り外し、
交換するだけで済みます。
なので大掛かりな工事も必要がなく、張替え工事が終わるまでの時間も決して長くありません。
またその交換というのも、畳自体を取り替える必要はないことが多いです。
畳は畳床という中心部分に、イ草や和紙などの畳表を張り、畳縁で留めるという構造になっています。
そして畳にカビが生えてしまった場合、大抵の場合は畳床までカビは侵食しておらず、
畳表を張り替えることで新品同様のきれいな状態に戻すことが可能です。
畳表を張り替えるだけでも当然費用はかかりますが、
それはフローリングの重ね張りに比べれば安価と言ってもいい値段で収まります。
またカビの侵食を放置しすぎていたり、長年使い続けていたなどで畳を丸ごと新調する場合であっても、
同じ面積のフローリングを張り替えるよりは安価というケースが多いでしょう。
○まとめ
畳は日本で生まれただけに、至る所にカビが生えやすい日本の気候にあわせて
カビが生えにくいように工夫されているだけでなく、
もしカビが生えてしまっても対処しやすい構造になっているのも特徴です。
床の問題は対処するのに手間とコストが掛かるので、それらを抑えたいなら畳を選ぶことをオススメします。